【精神科看護師】精神科はレベルが低い?落ちる技術と上がる技術を解説

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「精神科の看護師は、レベルが低い」。そんな言葉を、聞いたことはありませんか。精神科への転職や異動を考えていて、「自分のスキルが落ちるのでは」と不安になっている人もいると思います。

私は精神科看護師として、20年働いています。一般の病棟と精神科の病棟の両方を経験してきました。そんな言葉を聞くたびに、見えない症状に向き合う難しさを、知ってほしいと感じてきました。もちろん、落ちやすい技術があるのも事実です。良いことも、そうでないことも、隠さずにお伝えします。

この記事では、落ちる技術、上がる技術、精神科で身につく力を、正直にまとめます。精神科で働くことへの不安を、少しでも小さくできたらうれしいです。

こんな悩みはありませんか
  • 精神科はレベルが低いと聞いて不安
  • 精神科に行くと、スキルが落ちそうで怖い
  • 注射や採血の機会が減るのが心配
  • 一般の病棟に戻れなくなるのでは
悩んでいる人

精神科に行ったら、技術が落ちるのかな。

ひといき案内人

落ちやすい技術もありますが、上がる技術もあります。実際のところをお話しします。

レベルが低いと言われる理由

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なぜ、精神科の看護師は「レベルが低い」と言われることがあるのでしょうか。私も、そう言われたり、感じたりしたことがあります。ここでは、そう言われる理由として考えられることを、3つ紹介します。理由が分かると、言葉に振り回されにくくなります。言葉の背景を、一緒に見ていきましょう。

処置や機器に触れる回数が少ない

一般の病棟に比べて、精神科では、処置の回数や、医療機器に触れる機会が少なくなります。

そのため、技術が落ちるというイメージを持たれやすいのだと思います。

看護の成果が見えにくい

精神科の看護は、結果が目に見えにくい仕事です。

傷が治る、熱が下がるといった変化と違い、外からは何をしているか分かりにくいのかもしれません。

精神科の仕事が知られていない

精神科で働いたことがない人には、仕事の中身が伝わりにくいと感じます。

「話を聞いているだけ」と思われることもあります。実際は、話を聴くこと自体が高度な看護です。

見えない症状と向き合う難しさ

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私は、精神科の看護の難しさを、もっと知ってほしいと思っています。一般の病棟と精神科では、難しさの種類が違います。どちらが上ということではありません。それでも、精神科には、精神科ならではの難しさがあります。目に見えないものと向き合う難しさを、3つに分けて紹介します。

身体科は変化が見えやすい

身体科では、目に見える症状に対して看護をします。看護をしたあとの変化も、見えやすいと感じます。

もちろん、身体科には身体科の難しさがあります。ただ、変化が見えるという点が、精神科との大きな違いです。

精神科は試行錯誤を続ける

精神科では、目に見えない症状に対して、試行錯誤しながら対応していきます。

何が効いたのか、すぐには分からないことも多くあります。答えのない中で考え続けるのが、精神科の看護です。

同じ症状でも一人ひとり違う

同じ病気や症状でも、一人ひとり、関わり方が違います。

ある人に合った関わりが、別の人には合わないこともあります。マニュアルどおりにいかない難しさがあるのです。

精神科で落ちやすい技術

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ここからは、技術の話を、正直にお伝えします。精神科で働いていると、落ちたと感じる技術は、確かにあります。不安をあおるためではなく、事前に知っておいてほしいからです。どんな技術が落ちやすいのかを知っておくと、転職後の戸惑いが減ります。反対に、どの技術なら保てるのかも、見えてきます。

使う機会の少ない機器の操作

私が落ちたと感じるのは、使用頻度の少ない機器の操作です。

  • シリンジポンプの使用
  • 人工呼吸器の管理

使う機会が少ないと、操作の感覚は、どうしても鈍くなります。

機器の管理に触れる機会

機器の操作だけでなく、管理の面でも、触れる機会は少なくなります。

一般の病棟で当たり前だったことも、久しぶりだと確認が必要になると感じます。

処置の実施回数の少なさ

身体科に比べて、精神科では、処置の実施回数は少ないと思います。

回数が減ること自体は、事実として知っておくとよいでしょう。ただ、次の章でお伝えするように、悪いことばかりではありません。

むしろ上がる技術

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処置の回数は少なくても、精神科で上がったと感じる技術もあります。精神科ならではの難しい状況で処置をするため、一回一回の難しさが違うのです。私が感じていることを、3つ紹介します。「落ちる」だけではないことを知ってもらえたらと思います。技術の幅が広がると感じる場面も、少なくありません。

難しい状況での血管確保

精神科の点滴や採血は、難しい場面が多くあります。

  • 興奮状態の方への処置
  • 同意が得られにくい方への処置
  • 血管が細い方への処置(薬の影響かは分かりませんが、そう感じる方もいます)

こうした場面を重ねることで、技術は上がっていると感じます。

相手の状態を見ながらの処置

処置のしやすさは、相手のコンディションにも左右されます。

行動制限が必要な方への処置など、安全に配慮しながら行う場面もあります。相手の状態を見極める力が求められます。

さっきまで元気だった人の急変

精神科でも、急変は普通にあります。

もともと命が危ない人の急変ではなく、さっきまで元気だった人の急変です。だからこそ、普段の様子をよく見ておくことが大切になります。

精神科で身につく力

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精神科で働いて、いちばん身についたと感じるのは、処置の技術ではなく、人と関わる力です。これらの力は、どの科で働いても、どんな仕事をしても、役に立つものだと思います。ここでは、私が身についたと感じる力を、3つ紹介します。精神科の強みとして、知ってもらえたらうれしいです。

観察力

観察力は、精神科で磨かれる力です。私は、観察力では精神科以上はないと思っています。

言葉にならない変化や、いつもとの小さな違いに気づく。見えないものを見る力が身につきます。

傾聴力

話を聴く力も、精神科で身につく大きな力です。

ただ聞くのではなく、その人の気持ちや背景を受け止めながら聴きます。聴くことが看護になると、実感してきました。

コミュニケーション技術

相手の状態に合わせて、話し方や関わり方を変える力も身につきます。

この力は、患者さんだけでなく、同僚や家族との関わりにも活きます。

一般の病棟の経験は活きる

一般の病棟の経験が精神科で活きることを紹介する見出し画像

一般の病棟で働いた経験は、精神科でも役に立ちます。これから精神科に移る人は、これまでの経験が無駄になるのでは、と心配しなくて大丈夫です。私自身、一般の病棟の経験が、精神科で活きていると感じています。どんな場面で活きるのかを、3つ紹介します。これまでの経験は、形を変えて、精神科でも活かせます。

身体的な観察に役立つ

一般の病棟で身につけた、身体的な観察は、精神科でも役立っています。

精神科の患者さんにも、体の病気はあります。体の変化に気づけることは、大きな強みです。

急変の備えになる

一般の病棟での経験は、急変のときの落ち着きにもつながります。

精神科でも急変はあるので、体の視点を持った看護師は、チームで頼りにされます。

両方の視点を持てる

心と体の両方の視点を持てることは、大きな価値だと思います。

精神科の違いについては、精神科はきつい?20年働いて分かった向いている人にもまとめています。あわせて読んでみてください。

スキルが心配な人へ

スキルが心配な看護師へのメッセージを紹介する見出し画像

「精神科に行くと、スキルが落ちるのでは」と心配している人に、私が伝えたいことがあります。技術の不安は、とても自然なものです。それでも、精神科で働くことで得られるものも、たくさんあります。ここでは、心配している人へのメッセージを、3つにまとめます。読み終えたあとに、少し気持ちが軽くなっていればうれしいです。

一度身についた技術は落ちない

身体科に比べると、精神科の実施回数は少ないと思います。それでも、一度身についた技術は、大きくは落ちないと、私は思っています。

久しぶりの処置でも、体が覚えていることは多いものです。

チームで関わる

精神科では、一人で関わることは少なく、チームで関わることが多くあります。

全部を一人でできなくても大丈夫です。チームで支えるのが、精神科の看護です。

強みを活かして協働する

自分の強みを活かしながら、メンバーと協働することで、患者さんにベターを提供できればいいと、私は考えています。

それぞれの病棟の違いは、急性期と慢性期の違い|病棟で働き方はどう変わるにまとめています。自分の強みが活きる場所を、考えてみてください。

スキルのよくある質問

精神科のスキルのよくある質問を紹介する見出し画像

ここでは、精神科のスキルについて、よく聞かれる質問にお答えします。病院や病棟によって、状況は変わります。あくまで、私の経験と考えとして、参考にしてください。気になることは、見学や面接で、直接確かめてみましょう。疑問が解けるだけでも、判断がしやすくなります。

精神科の看護師はレベルが低いのですか?

私は、そうは思いません。処置の回数は少なくても、見えない症状に向き合う難しさがあります。難しさの種類が違うのだと考えています。

精神科でも点滴や採血はしますか?

します。回数は身体科より少ないと思いますが、難しい状況での処置も多くあります。病棟によって頻度は違うので、面接で確かめてみましょう。

精神科でも急変はありますか?

あります。さっきまで元気だった人の急変です。だからこそ、普段の様子を見ておくことが大切です。

精神科から一般の病棟に戻れますか?

職場の教育体制によりますが、一度身についた技術は大きくは落ちないと、私は思っています。使う機会の少なかった機器は、学び直すつもりでいるとよいでしょう。

精神科で技術を保つにはどうしますか?

職場の研修があれば、活用するとよいと思います。チームの中で、得意な人に教わることも、よい方法です。

まとめ

まとめ、技術の不安だけであきらめないでと伝える見出し画像

精神科の看護師は、レベルが低いわけではありません。見えない症状に向き合う難しさがあり、観察力、傾聴力、コミュニケーションの力が磨かれます。機器の操作など落ちやすい技術はありますが、難しい状況で上がる技術もあります。一般の病棟の経験も活きます。自分の強みを活かして、チームで支えていきましょう。最後に、この記事のポイントを振り返ります。

この記事のポイント
  • 見える症状と見えない症状で、難しさの種類が違う
  • 機器の操作など、落ちやすい技術はある
  • 難しい状況での処置など、上がる技術もある
  • 観察力・傾聴力・コミュニケーション技術が身につく
  • 一度身についた技術は、大きくは落ちない

もし精神科に興味があるなら、技術の不安だけであきらめないでください。まずは見学で、実際の看護を見てみましょう。それが、自分の強みを見つけるきっかけになります。

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