目覚ましが鳴っても、体が重くて起き上がれない。「今日は仕事に行きたくない」と思いながら、天井を見つめている。行かなきゃと分かっていても、気持ちがついてこない。そんな朝はありませんか。
私は精神科看護師として、20年働いています。そんな私にも、仕事に行きたくない朝はありました。体も心も重く、布団から出るのがつらい朝です。振り返ると、疲れが溜まっていたり、前の出勤日に嫌なことがあったりしたときでした。
この記事では、仕事に行きたくない朝にできることを、私の経験からまとめます。中心にお伝えしたいのは、心の中にスケール(ものさし)を持つという考え方です。出勤するか休むかを決めるときの、目安になるはずです。
- 朝、体が重くて起き上がれない
- 仕事に行きたくない自分を責めてしまう
- 休むべきか、行くべきか迷う
- 毎朝つらいのは、病気ではないかと不安
行きたくないなんて、甘えなのかな。
甘えではありません。まずは、今日の自分の状態を測ってみましょう。
行きたくない朝に起きること

仕事に行きたくない朝には、心にも体にも、いつもと違う変化が出ます。ここでは、私が実際に経験したことを紹介します。ここでお伝えするのは、診断や病気の判断ではありません。私が感じたことです。当てはまる点があれば、「自分だけではない」と思ってもらえたらうれしいです。順番に見ていきましょう。
体も心も重い
仕事に行きたくない朝は、体も心も、とにかく重く感じました。
目は覚めているのに、起き上がる気力が出ない。心の重さが、体の重さになって表れていたのだと思います。
疲れが溜まっている
振り返ると、そういう朝は、疲れが溜まっているときでした。
- 忙しい日が続いていた
- 休みの日に、十分に休めていなかった
小さな疲れも、積み重なると、朝の重さにつながります。
前の日の嫌な出来事を引きずる
前の出勤日に、嫌なことがあった。そんな日の次の朝も、行きたくない気持ちが強くなりました。
嫌なことを引きずる気持ちについては、仕事の嫌なことを家まで引きずる時の切り替え方にまとめています。前の日の出来事が、朝に影響することもあるのです。
行きたくないのは甘えではない

「仕事に行きたくない」と思うと、自分を責めてしまう人は多いと思います。けれど、行きたくない気持ちは、甘えとは限りません。厚生労働省のe-ヘルスネットにも、「うつ」でやる気が出ないのは、こころが弱かったり甘えているためではない、と書かれています。自分を責める前に、今の状態に目を向けてみましょう。
心のエネルギーが足りない状態
私は、行きたくない朝は、心のエネルギーが足りていない状態だと考えています。
疲れや嫌な出来事で、エネルギーが減っているのです。怠けているのではなく、回復が追いついていないだけかもしれません。
まず休むことが大切
e-ヘルスネットの「『うつ』に気づいたときの対処法は?」では、心配なときは、まず疲れたこころと体を十分に休めることが大切とされています。
無理を重ねるより、休んで回復することを優先していいのです。
自分を責めなくていい
行きたくないと思う自分を、責めないでください。
朝がつらいのは、それだけ毎日、頑張ってきた証拠でもあります。まずは、その頑張りを認めてあげてください。
心のスケールで今日の自分を測る

出勤するか、休むか。その判断に迷ったとき、私がおすすめしたいのが、心の中にスケール(ものさし)を持つことです。今日の自分の状態を、数字で測ってみるのです。気持ちを数字にすると、ぼんやりした不安が整理されます。迷ったときの目安として、使ってみてください。数字にするのは、自分を責めるためではなく、自分を守るためです。
0から10で今の状態をつける
朝、目が覚めたら、今の自分の元気さを、0から10の数字でつけてみます。
正確でなくて構いません。直感で決めた数字で十分です。
10と5と2の目安
私は、次のような目安で考えています。
- 10:元気に出勤できる
- 5:とりあえず出勤できる
- 2:休んだほうがいい
この目安は、私の考え方です。数字の感じ方は人によって違うので、自分なりの目安をつくってみてください。
今の状態で責任を果たせるかを考える
看護師の私は、「今の精神状態で、患者さんを看られるか」も考えます。
あなたの仕事に置き換えると、「今の状態で、仕事の責任を果たせるか」です。果たせないと感じるほどなら、休むことを考えていい状態だと思います。
行きたくない朝にできること

スケールが「とりあえず出勤できる」くらいの日は、無理のない範囲で、朝を乗り切る工夫をしてみましょう。ここでは、私が実際にやっていることと、公的な情報で勧められていることを紹介します。できそうなものを、ひとつだけ試してみてください。合わなければ、無理に続ける必要はありません。どれも、朝の数分でできることばかりです。
とりあえず起きて二度寝しない
私は、行きたくない朝でも、とりあえず起きるようにしていました。
二度寝をしないことだけを決めておくと、朝の迷いが少し減ります。起きてから、今日の自分の状態を測ってみましょう。
カーテンを開けて朝の光を浴びる
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイドでは、日中にできるだけ日光を浴びることが勧められています。
起きたら、まずカーテンを開けてみましょう。光を入れるだけでも、朝の始まりを区切れます。
朝の準備を小さく分ける
「出勤する」と考えると、気が重くなります。そこで、朝の準備を小さく分けて考える方法もあります。
- まず起きる
- 次に顔を洗う
- 着替える
ひとつ終わるごとに、次のひとつだけを考えます。
休むことも選択肢のひとつ

スケールが低い日は、無理に出勤しないことも、大切な選択です。休むことは、逃げではありません。回復のための判断です。ここでは、休むときの考え方を、3つに分けて紹介します。休んでもいいと知っておくだけでも、朝の重さが少し軽くなることがあります。休み方を知っておくと、いざというときに迷わずに済みます。
スケールが低い日は休む
私の目安では、スケールが2くらいなら、休んだほうがいいと考えています。
無理をして出勤しても、本来の力は出せません。回復を優先するほうが、結果的に、早く元気になれることもあります。
休むときは早めに連絡する
休むと決めたら、職場の決まりに沿って、早めに連絡しましょう。
体調が悪いことを、簡潔に伝えれば十分です。早めの連絡は、職場の調整を助けることにもなります。
行きたくない朝が続くなら原因を考える
休んでも、同じような朝が続くなら、原因に目を向けてみましょう。
- 人間関係のつらさ(人の顔色を伺いすぎて疲れた時の考え方)
- 眠れない夜(考え事で眠れない夜の過ごし方)
- 夜勤や職場の条件(夜勤がきつい人が転職前に確認したいこと)
原因が分かると、次にできることが見えてきます。
医療機関に相談したいサイン

仕事に行きたくない朝が続くとき、それが心や体からのサインのこともあります。ここでは、医療機関や相談窓口に相談したいサインを紹介します。ブログでは、病気かどうかの判断はできません。迷ったら相談することを、大切にしてください。早めの相談が、楽になる近道になることもあります。自分に当てはまるものがないか、確かめてみてください。
つらい朝が続いている
行きたくない朝が続き、仕事や生活に支障が出ている。そんなときは、心療内科や精神科などの医療機関に、相談することを考えてみてください。
職場のストレスの状態は、厚生労働省のこころの耳にある「5分でできる職場のストレスセルフチェック」でも、確かめられます。自分の状態を知るきっかけにしてください。
体の不調が続いている
e-ヘルスネットでは、うつ病では「こころの症状」より「体の症状」ばかりが目立つ場合も少なくないとされています。
体の不調が続くときは、かかりつけ医などに相談してみましょう。
命に関わる時は迷わず連絡する
命に関わる危険を感じたときは、迷わず110番・119番、または医療機関に連絡してください。
働く人向けの相談窓口として、厚生労働省のこころの耳もあります。ひとりで抱え込まないでください。
行きたくない朝のよくある質問

ここでは、仕事に行きたくない朝について、よく聞かれる質問にお答えします。個別の事情によって、適した対応は変わります。あくまで一般的な考え方として、参考にしてください。つらさが強いときや、続くときは、専門の窓口や医療機関に相談することも、考えましょう。疑問が解けるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
仕事に行きたくないのは甘えですか?
甘えとは限りません。e-ヘルスネットでも、やる気が出ないのは、こころが弱かったり甘えているためではない、とされています。自分を責めすぎないようにしましょう。
休むと職場に迷惑をかけませんか?
休むと、気を使ってしまうものです。ただ、無理をして体調を崩すと、もっと長く休むことになるかもしれません。早めに休んで回復することも、職場のためになると私は考えています。
毎朝行きたくないのは病気ですか?
このブログでは、診断はできません。毎朝つらい状態が続き、生活に支障が出ているなら、医療機関に相談してください。
行きたくない理由が分からない時はどうしますか?
思いつくことを、紙に書き出してみましょう。私の場合、振り返ると、疲れや、前の日の嫌な出来事が理由でした。書き出すと、理由が見えてくることがあります。
休んだ日はどう過ごせばいいですか?
罪悪感を持たずに、ゆっくり休むことを優先しましょう。e-ヘルスネットでも、まず疲れたこころと体を十分に休めることが大切とされています。回復することが、休む目的です。
まとめ

仕事に行きたくない朝は、誰にでもあります。それは甘えではなく、心のエネルギーが足りていないサインかもしれません。心の中にスケールを持って、今日の自分の状態を測ってみてください。5ならとりあえず出勤、2なら休むことも考える。そして、つらい朝が続くなら、早めに相談してください。最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 行きたくない気持ちは、甘えとは限らない
- 心のスケール(0〜10)で今日の状態を測る
- 10は元気に出勤、5はとりあえず出勤、2は休むことも考える
- とりあえず起きて、カーテンを開ける
- つらい朝が続くなら、医療機関や窓口に相談する
まずは明日の朝、目が覚めたら、今の自分が0から10のどこにいるか、数字をつけてみてください。その数字が、あなたを守る目安になります。

