夜勤明けの朝、眠いのに眠れない。生活リズムが崩れて、体がついてこない。「この働き方を、あと何年続けられるだろう」と、考えたことはありませんか。
私は精神科看護師として、20年働いています。夜勤は、2交代も3交代も経験しました。今は3交代で働いています。夜勤のきつさは、人によって、職場によって、大きく違うものだと感じてきました。続けるか迷うほど、心身への負担が大きいことも、あると思います。
この記事では、夜勤がきついと感じる看護師が、転職前に確認したい職場の見方をまとめます。夜勤の回数だけでなく、人数や休憩まで見ておくと、次の職場とのずれを減らせます。読み終えるころには、何を確認すればよいかが、はっきりするはずです。
- 夜勤明けに、眠れず、生活リズムが崩れる
- 夜勤の人数が少なく、いつも余裕がない
- 休憩が取れない日がある
- 次の職場で、夜勤がどうなるか不安
夜勤がつらいのは、私が弱いからかな。
弱さの問題とは限りません。夜勤のきつさは、職場の条件でも変わります。
夜勤がきつい時に整理すること

転職を考える前に、まず、自分にとって何がきついのかを整理してみましょう。夜勤といっても、きつさの中身は、人によって違います。私自身の経験もふまえて、整理のポイントを3つ紹介します。原因が分かれば、次の職場で確認すべきことが、見えてきます。どれも、特別な準備は必要ありません。紙に書き出すだけでも、頭の中が整理されます。
きつさの中身を分けてみる
私が夜勤で感じていたのは、眠気、生活リズムの崩れ、胃腸の調子の悪さでした。
- 眠気が強い
- 生活リズムが崩れる
- 胃腸の調子が悪くなる
- 人間関係のプレッシャーがある
どれがつらいのかを、具体的に書き出すと、対策が考えやすくなります。
休みの日の過ごし方を見直す
私は、休みの日には、できるだけゆっくり休むようにしています。気分転換も、大切にしています。
夜勤で崩れた体を戻すには、休む時間が必要だと感じます。ただ、休んでも回復しきれないなら、職場の条件に原因があるのかもしれません。
夜勤が前提の職場かを考える
私は、病院で働く看護師は、夜勤があることが前提だと考えています。
だからこそ、夜勤をなくすことだけを考えるのではなく、夜勤のきつさを、条件で見極めることが大切です。次の章から、その見方を紹介します。
夜勤のきつさを決める4つの要素

夜勤のきつさは、「回数」だけでは決まりません。人数、休憩、勤務の間隔など、いくつかの要素が組み合わさって決まります。ここでは、日本看護協会の「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」に書かれている目安も、あわせて紹介します。ただし、これはガイドライン(目安)であり、すべての職場が満たしているわけではありません。
夜勤の回数と勤務形態
ガイドラインでは、3交代制の夜勤は、月8回以内を基本とされています。2交代制などは、労働時間などに応じた回数とされています。夜勤の連続は、2回までが目安です。
私は、2交代と3交代の両方を経験しました。形態によって、きつさの種類が違うと感じます。求人票では、形態と回数を、必ず確認しましょう。
夜勤の人数と一緒に組む人
経験から言うと、夜勤の人数が少ないときは、きつく感じました。
また、苦手な人と夜勤を組むと、さまざまなプレッシャーがありました。誰と組むかも、きつさに影響します。人数と、チームの雰囲気は、見学で確認したい点です。
休憩と仮眠が取れるか
ガイドラインでは、夜勤の途中で1時間以上の休憩を確保し、連続した仮眠時間を設定することが示されています。
ただ、現場では、急患を受け入れていると、規定の休憩が取れないことがありました。休憩の実態は、求人票では分かりにくい部分です。面接で、具体的に聞いてみましょう。
勤務間隔と夜勤後の休息
ガイドラインでは、勤務と勤務の間隔を、11時間以上あけることが示されています。夜勤が2回続いたあとは、おおむね48時間以上の休息が目安です。
夜勤の前後の予定は、体の回復に関わります。夜勤明けの休みがどう扱われるかを、確認しておきましょう。
求人票で確認したい夜勤の条件

求人票には、夜勤について、いくつかの情報が書かれています。応募する前に、数字や書き方を見ておくと、ずれを減らせます。ここでは、求人票で確認したい項目を3つ紹介します。書かれていないことは、あとで質問するつもりで、メモしておくと便利です。求人票は、書かれている内容だけでなく、書かれていない内容にも、ヒントがあります。
月の夜勤回数と勤務形態
まず、月の夜勤回数と、2交代か3交代かを見ます。
回数が「月8回程度」などと幅のある書き方なら、平均と最多を、面接で聞いておきましょう。
夜勤の人数と患者さんの数
夜勤の人数は、求人票に書かれていないことも多いです。そのときは、病棟の患者さんの数と、夜勤の人数のバランスを、あとで質問します。
- 夜勤は何人体制か
- 患者さんは何人か
人数が少ないときのきつさは、私も実感しているので、先に聞いておくのがおすすめです。
夜勤手当に含まれる回数
給与の例に、夜勤手当が何回分含まれているかも、確認しておきたい点です。転職情報でも、よく紹介されています。
手当の金額だけでなく、何回分の想定かを見ないと、比べ方がずれてしまいます。
面接と見学で聞きたいこと

求人票だけでは分からない部分は、面接と見学で確認します。夜勤については、聞きにくいと感じる人も多いかもしれません。しかし、入職してからのずれを減らすために、聞くことは大切な確認です。ここでは、私の経験から、特に聞いておきたい3つを紹介します。質問のしかた次第で、答えやすさも変わります。穏やかに、確認したいという姿勢で聞いてみましょう。
平均の回数と最多の回数
夜勤の回数は、平均だけでなく、最も多いときの回数も聞いてみましょう。
平均は少なくても、人手が足りない月は増えることがあります。最多の回数が分かると、負担のイメージが具体的になります。
休憩の取り方と急患の対応
急患が入った夜は、休憩が取れないことがありました。
- 夜勤中の休憩は、どのように取っているか
- 急患で休憩が取れなかったとき、どうしているか
こうした質問への答え方に、職場の姿勢が出ると感じます。
欠員が出たときの夜勤
欠員が出たときに、夜勤がどうなるかも、気になる点です。
夜勤の調整を、どう決めているのか。夜勤を減らしたい人の相談は、できるのか。困ったときの仕組みを、聞いておきましょう。
夜勤の負担を減らす考え方

夜勤がきついとき、「夜勤を減らす方法はないか」と考える人は多いと思います。私自身は、夜勤を減らす方法を、見聞きしたことはありません。病院の看護師は、夜勤が前提だと考えているからです。それでも、負担を軽くする工夫は、いくつかあります。ここでは、私が実際にやってきたことを中心に、紹介します。どれも、すぐに始められるものばかりです。
休みの日にしっかり回復する
夜勤の負担を減らすには、休みの日の過ごし方が大切だと感じます。
私は、できるだけゆっくり休むようにしています。気分転換も入れて、回復する時間を、意識して持つようにしています。
眠そうな同僚に声をかける
夜勤で、眠そうにしている同僚に、気づいたことがあります。
私は、「休めてる?」と声をかけて、夜勤の前後の生活リズムを聞きました。話すだけでも、ひとりで抱えないきっかけになります。
人の様子を見て職場を選ぶ
夜勤のきつさは、チームの雰囲気でも変わります。条件に加えて、職場の人の様子も、見ておきましょう。
見るポイントは、人間関係に疲れた看護師の職場選びの記事にまとめました。条件と人の様子を、両方から確認してみてください。
精神科への転職や異動を考えている方は、精神科はきつい?20年働いて分かった向いている人も参考にしてください。精神科ならではのきつさとやりがいをまとめています。
辞める前に見直すお金と相談

夜勤がつらくても、勢いで辞めるのは、おすすめしません。夜勤手当がなくなると、収入が変わることもあります。辞める前に、お金の面と、相談できる人を確認しておきましょう。冷静なうちに確認しておくと、判断が落ち着きます。ここでは、特に大切な3つを紹介します。夜勤を減らすかどうかに関わらず、先に整えておくと安心です。
収入がどう変わるかを確認する
夜勤手当は、給与の大きな部分を占めることがあります。
夜勤の回数が変わると、手取りが変わるかもしれません。次の職場の給与の例と、今の給与を、比べてみましょう。
生活防衛費があるかを確認する
生活防衛費とは、収入が止まっても、生活を続けるための貯えのことです。
- 貯えで、何か月生活できるか
- 次の仕事が決まるまでの目安
期限が見えると、焦りが小さくなることがあります。
本音で話せる相談相手を持つ
家族以外に、本音で話せる人はいますか。夜勤の悩みは、周りに理解されにくいこともあります。
職場の外の相談先が必要なときは、厚生労働省のこころの耳のような、働く人向けの窓口もあります。ひとりで抱え込まないようにしましょう。
夜勤の転職に関するよくある質問

ここでは、夜勤がきついと感じたときに、よく聞かれる質問にお答えします。個別の事情によって、適した対応は変わります。あくまで一般的な考え方として、参考にしてください。体調に不安があるときは、医療機関に相談することも、考えましょう。疑問が解けるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
夜勤がきついのは自分が弱いからですか?
弱さだけが原因とは限りません。人数、休憩、チームの雰囲気など、職場の条件でも、きつさは変わります。自分を責めすぎないようにしましょう。
夜勤明けに眠れない時はどうしますか?
私は、生活リズムが崩れて、眠気が強く出ることがありました。眠れない状態が続くなら、医療機関や相談窓口に相談してください。睡眠については、厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイドも参考になります。
夜勤は月何回までが目安ですか?
日本看護協会のガイドラインでは、3交代制は月8回以内を基本とされています。ただし、これは目安であり、職場によって実態は異なります。実際の回数は、面接で確認してください。
夜勤を減らしたいと職場に相談してもいいですか?
相談すること自体は、問題ないと思います。ただ、職場によって、対応は違います。私は、夜勤を減らした事例を見聞きしたことがありません。まずは、相談してみることをおすすめします。
夜勤で体調を崩したらどうしますか?
無理をせず、早めに、医療機関や職場の相談先に相談してください。体調を優先することが、大切です。気持ちがつらいときは、こころの耳のような窓口もあります。
まとめ

夜勤がきついと感じたとき、すぐに辞める前に、きつさの中身を整理してみましょう。次の職場では、夜勤の回数や形態、人数、休憩、勤務の間隔を、求人票と面接で確認します。そして、チームの雰囲気も、あわせて見ておくことが大切です。最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- きつさの中身(眠気・生活リズム・人数・休憩)を整理する
- 夜勤のきつさは、回数だけでなく、人数や休憩でも変わる
- 求人票と面接で、平均と最多の回数を確認する
- ガイドラインは目安。実態は職場ごとに違う
- 辞める前に、お金と相談相手を確認する
まずは今日、夜勤の何がきついのかを、紙に書き出してみてください。それが、次の職場を選ぶ軸になります。

