毎日、同じ職場に通うのがつらい。人間関係に疲れて、「次の職場では、同じ思いをしたくない」と考えていませんか。
私は精神科看護師として、20年働いています。その間に、転職を1回、異動を1回経験しました。「職場の人間関係」が、仕事のしやすさを大きく左右することを、身をもって感じてきました。「何を基準に次の職場を選べばいいのか」と迷う気持ちも、よく分かります。
この記事では、転職経験のある精神科看護師の目線で、次の職場で見るポイントをまとめます。給料や休みの条件だけでなく、人の様子をどう見るかを中心にお伝えします。読み終えるころには、職場見学で何を見ればよいかが、イメージできるはずです。
- 職場の人間関係に、毎日疲れている
- 次の職場で、同じ失敗をしたくない
- 求人票だけでは、雰囲気が分からない
- 辞めるべきか、まだ迷っている
次の職場も、人間関係で苦労しないかな。
見るべきポイントを知っておけば、不安は小さくなります。順番に見ていきましょう。
人間関係に疲れた時の整理ポイント

転職を考える前に、まず気持ちを整理しておくと、次の職場選びがぶれにくくなります。日本看護協会の調査では、正規雇用の看護職員の離職率は11.0%でした(JILPTの紹介記事)。職場を変える人は、決して少なくありません。疲れているときは、頭の中がごちゃごちゃになりがちです。いったん立ち止まって、状況を整理してみましょう。ここでは、辞める前に整理したい3つのことを紹介します。
疲れの原因を書き出す
「人間関係がつらい」と、ひとくくりにしてしまうと、原因が見えなくなります。
- 誰との関係がつらいのか
- どんな場面でつらいのか
- いつ頃から続いているのか
紙に書き出すだけでも、原因が整理されることがあります。
辞める以外の選択肢も知る
辞める以外にも、できることはあります。上司への相談や、部署の異動などです。
私は、転職のあとに、病棟の異動も経験しました。環境が変わると、同じ仕事でも感じ方が変わることを知りました。
辞めても良いと考えてみる
我慢して働き続けると、本来の力が発揮しにくくなると、私は考えています。仕事の種類は、たくさんあります。自分に合う職場は、きっとあります。ただ、環境を変えるのは不安なものです。知らないだけで、選択肢はあると思います。
もちろん、辞めることを勧めているわけではありません。辞めるのも選択肢のひとつ、という考え方です。
精神科の病棟で働くことも考えている方は、精神科はきつい?20年働いて分かった向いている人の記事で、きつさとやりがいを正直にまとめています。
職場見学で見る人の様子3つ

求人票には、給料や休みなどの条件が書かれています。しかし、人間関係の様子までは、なかなか書かれていません。そのため、職場見学や面接は、人の様子を直接見られる大切な機会です。私が現場で見てきた経験から、特に見てほしい3つを紹介します。見学の時間は短くても、気づけることはたくさんあります。「何を見るか」を決めておくと、限られた時間でも、判断の材料が増えます。
笑顔と表情
人間関係がしんどそうな職場では、笑顔が少なく、殺伐とした空気がありました。
働いている人の表情は、職場の空気が出るところです。見学のときは、すれ違うスタッフの顔を、ぜひ見てください。
お互い様の声かけ
人間関係が良い職場では、困っている人に、周りが自然に声をかけています。反対に、「お互い様」の空気がない職場は、自分の仕事だけをこなす雰囲気になりがちです。
- 忙しそうな人に、声をかけているか
- 新しい人に、気を配っているか
- 他のスタッフへの声かけが、やわらかいか
こうした声のかけ方は、数分見るだけでも伝わります。
チームで課題に向かう姿勢
良い職場では、些細なことでも言い合える空気があります。個人が自分の仕事だけをこなすのではなく、ひとつのチームとして、みんなで課題に向かっています。
もちろん、時と場合によります。それでも、チームで動いている様子は、見学で気づきやすいポイントです。
面接や見学で確認したいこと

人の様子に加えて、働き方の条件も確認しておくと安心です。ここでは、私が大切だと考える確認事項と、転職情報で多く紹介されている確認事項をまとめます。聞きにくいことほど、先に確認しておくと、入職後のずれを減らせます。あらかじめ質問をメモしておくと、緊張していても、聞き忘れを防げます。
仕事量と給料のバランス
給料に見合った仕事量かどうかは、大事な確認事項です。
面接では、1日の流れや、担当する患者さんの人数などを、具体的に質問してみましょう。数字や具体例で答えてくれる職場は、誠実な印象があります。
副業のルール
副業ができるかどうかも、確認しておきたい点です。職場によって、ルールは大きく異なります。たとえば、公立の病院は、副業に制限がある場合があります。
副業を考えているなら、職場の規定を事前に確認してください。
教育体制と有給の実績
転職情報では、有給の取得状況や、平均の勤続年数を確認するとよいと、よく紹介されています。こうした数字は、職場の風土を知る手がかりになります。
- 有給の取得状況
- 平均の勤続年数
- 新しい人への教育体制
私の転職先では、やったことのない業務も、丁寧に教えてもらえました。教育体制は、入職後の安心感に直結します。
辞める前に見直すお金と相談

人間関係に疲れていると、「今すぐ辞めたい」という気持ちが強くなります。ただ、勢いで辞めると、お金の不安で苦しくなることがあります。辞める前に、生活が破綻しないかを、冷静に確認しておきましょう。今の職場がつらいほど、先のことを考える余裕がなくなるものです。だからこそ、冷静なうちに確認しておきたい3つを紹介します。
生活防衛費があるか
生活防衛費とは、収入が止まっても生活を続けるための、貯えのことです。
辞めても生活が破綻しないか、先に計算しておくことが大切です。
いつまでに次を決めるか
次の仕事を、いつまでに見つけないと、生活が苦しくなるのか。期限を、先に決めておきましょう。
- 貯えで、何か月生活できるか
- 次の仕事が決まるまでの目安
期限が見えると、焦りが小さくなることがあります。
本音で話せる相談相手がいるか
家族以外に、本音で相談できる人はいますか。
家族は、心配のあまり、冷静な意見を言いにくいこともあります。第三者に話せる場所があると、判断が落ち着きます。職場の外の相談先が必要なときは、厚生労働省のこころの耳のような、働く人向けの窓口もあります。
人間関係が合う職場の傾向

人間関係が合う職場には、いくつかの共通点があります。ここでは、私が経験した職場の違いと、転職情報で紹介されている傾向を合わせて紹介します。もちろん、合う職場は人によって違うため、あくまで目安として読んでください。どれも特別なことではなく、普段の職場で見える様子です。自分が心地よいと感じる環境を、考えるヒントにしてください。
些細なことでも言い合える
小さな疑問や気づきを、気軽に口に出せる職場は、問題が大きくなる前に解決しやすいと感じます。
逆に、何も言えない空気がある職場は、ストレスがたまりやすいと思います。
新しい人を丁寧に迎える
私が転職したとき、環境はガラッと変わりました。それでも、新しい職場の雰囲気がよく、人間関係に困りませんでした。やったことのない仕事も、丁寧に教えてもらえました。
新しい人を、丁寧に迎える職場は、人間関係の良さが出ているところです。
多様な意見が行き交う
年齢や立場が、特定の層に偏りすぎていないことも、ひとつの目安といわれています。さまざまな意見が行き交う職場は、風通しがよいことが多いようです。
- 年代がばらけている
- 立場に関係なく話せる
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。
転職エージェントの使い方

ここで、転職エージェントについて触れておきます。私自身は、転職エージェントを使わず、自分で応募しました。そのため、ここからは、調べた一般的な情報としてお伝えします。使うかどうかは、ご自身の状況で判断してください。エージェントは、転職活動を助ける手段のひとつです。使い方や注意点を知ったうえで、決めましょう。
使う前に決めておくこと
エージェントを使う場合も、先に決めておくとよいことがあります。
- 職場に求める条件の優先順位
- いつまでに転職したいか
- 譲れないこと
優先順位があると、条件のずれを防げます。
担当者に伝える条件
人間関係を重視するなら、そのことを、はっきり伝えましょう。見学のとき、どんな点を見たいかも、事前に共有できます。
担当者が伝えてくれる情報は、自分の目で確かめることが大切です。
複数の情報を比べる
1つの情報だけで決めずに、複数の情報を比べると、判断の材料が増えます。求人票、職場見学、第三者の意見を、合わせて考えましょう。
転職は、人生に関わる大きな決断です。焦らず、比べることをおすすめします。
人間関係の転職に関するよくある質問

ここでは、人間関係を理由にした転職について、よく聞かれる質問にお答えします。個別の事情によって、適した対応は変わります。あくまで一般的な考え方として、参考にしてください。迷いが大きいときは、職場の外の窓口に相談することも、考えてみましょう。疑問が解けるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
人間関係が理由の転職は不利になりますか?
一概には言えません。伝え方を工夫すると、前向きな理由として伝わることもあります。たとえば、「チームで働ける環境で力を発揮したい」といった言い方です。事実を、前向きに伝えるのがコツです。
職場見学で特に見たほうがいい人は誰ですか?
管理職だけでなく、現場で働いているスタッフの様子を見てください。表情や、スタッフ同士の声のかけ方に、職場の空気が出ます。
辞めたいのに言い出せないときはどうしますか?
まず、信頼できる第三者に話してみてください。話すだけで、気持ちが整理されることがあります。ひとりで抱え込まないことが、大切です。
転職しても人間関係が変わらなかったらどうしますか?
どの職場でも、合う人と合わない人はいます。事前に、見学で空気を確認することが、ずれを小さくする方法です。それでも合わなければ、部署の異動など、別の方法もあります。
転職の前に部署異動を相談してもいいですか?
職場の制度によりますが、相談すること自体は問題ないと思います。私も、異動を経験しました。選択肢のひとつとして、考えてみてください。
まとめ

人間関係に疲れたときの職場選びは、条件だけでなく、人の様子を見ることが大切です。笑顔、お互い様の声かけ、チームで向かう姿勢。そして、辞める前に、お金と相談相手を確認しておくこと。焦らず、自分に合う環境を探していきましょう。最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 疲れの原因を書き出して整理する
- 見学で、笑顔・お互い様・チームの様子を見る
- 仕事量・副業・教育体制を確認する
- 辞める前に、お金と相談相手を確認する
- 転職は、焦らず、比べて決める
まずは今日、今の悩みを、紙に書き出してみてください。その一歩が、次の職場を選ぶ軸になります。

